韓国南西部で起きた旅客船「セウォル号」の沈没事故は16日で丸2か月となり、これまでに修学旅行中の高校生ら292人が死亡し、今も12人が行方不明のままとなっているほか、事故の真相究明も進展が見られず、事故が収拾するメドは立っていません。
旅客船沈没事故は、16日で丸2か月を迎え、現場では沈没した船体を中心にいまも捜索活動が続いていますが、今も高校生6人、教師2人、乗務員1人、一般乗客3人の合わせて12人の行方がわかっていません。
行方不明者の数をみますと、事故から1か月の先月16日現在、20人となっていましたが、この1か月間で発見できたのはわずか8人に留まっていて、捜索活動が難航していることをうかがわせています。
今回の沈没事故では、殺人罪に問われているイ・ジュンソク船長ら4人を含む乗員15人の初公判が先週10日に開かれ、被告らは貨物の積み過ぎが事故の原因であるとしたほか、犠牲者が多く出たことについては海洋警察の救助の失敗などと主張して罪状を否認し、今後の裁判の行方が注目されています。
また、事故を起した船会社の事実上のオーナーで、横領や背任の疑いで指名手配されている兪炳彦(ユ・ビョンオン)容疑者の行方は、今も分かっておらず、合同捜査本部では、先週11日、6000人の警察官を動員して兪容疑者が指導者の宗教団体の施設を家宅捜索しましたが、手がかりをつかむことはできませんでした。
さらに、事故原因の真相究明に向けた国会による国政調査についても、与野党の間で、調査の期間を今月2日から90日間とすることや調査範囲などについては合意しているものの、関係部署からの報告を求める日程で激しく対立し、進展が得られていません。
旅客船沈没事故は、発生から丸2か月たった今も、事故の収拾に向けたメドさえもまったくたっていないのが実情で、犠牲者の遺族らでつくる家族対策委員会では、早急な真相究明と遺族らに対する支援などを求める「セウォル号特別法」の制定を目指して、「1000万人署名運動」を全国で繰り広げています。