韓国北東部の江原道高城郡にある陸軍部隊で、兵士が銃を乱射して逃走している事件で、軍当局は22日午後、部隊から10キロほど離れた山中でこの兵士を発見したものの、今のところ身柄は確保できておらず、投降するよう呼びかけています。
この事件は、21日夜、警戒勤務を終えた兵士が部隊で銃を乱射し、同僚の兵士5人が死亡、7人が重軽傷を負ったもので、兵士は銃と実弾を持って逃走しているものです。
この事件で、追跡していた軍の部隊が22日午後2時過ぎ、事件現場から10キロほど離れた山中でこの兵士を発見して銃撃戦となり、小隊長が右腕に銃弾を受けてけがをして病院で手当を受けています。
また、23日朝には、追跡中の兵士が撃った銃弾が同じく追跡中の兵士に当たる事故があり、病院で手当てを受けましたが、幸い軽傷だということです。
追跡中に負傷した将兵まで含めると、これまでの負傷者は9人に増えました。
軍当局では、逃走している兵士の親を現場に呼び、拡声器などで投降するよう説得していますが、今のところ応じる様子はみられないということです。
この兵士は、去年4月、部隊生活への適応が最もが難しい「A級関心兵士」の判定を受け、「B級」に転じた直後の12月から最前線に投入されていて、部隊生活への適応が難しい「関心兵士」を最前線に投入するのは問題だとする指摘もメディアから出ています。
韓国では、2005年に首都圏の京畿道の前線の部隊で兵士が銃を乱射して8人が死亡したほか、2011年には江華島の海兵隊の部隊で兵士が銃を乱射し、4人が死亡する事件が起きています。