抗生剤に対する耐性が最も強い超多剤耐性肺炎球菌が、韓国国内の患者から検出されたという研究報告が示されました。
この研究報告は、三星ソウル病院の研究チームが2011年から2年間、肺炎球菌を保有する510人の患者を対象に、ペニシリンを含む8種類の抗生剤に対する反応を調べ、アメリカの疾病予防管理センターの8日付けの学術誌で公表したものです。
それによりますと、患者510人のうち5人は、ペニシリンを含む8種類の抗生剤に全く反応を示さず、これまでの多剤耐性肺炎球菌よりもさらに広範の薬剤に耐性を示す肺炎球菌を保有していたということです。
この超多剤耐性肺炎球菌は、海外でもまだ報告例がなく、感染すると短期間で死に至るほど致命的だということです。
この耐性菌を保有していた患者は、70歳以上の高齢者が多く、健康でない状態で長期間抗生剤治療を受けたことから、耐性菌にさらされたものとみられます。
研究チームでは、介護施設などで治療を受ける患者がこの超多剤耐性肺炎球菌を保有する可能性があり、注意して欲しいと呼びかけています。