北京で開かれていたアメリカと中国との米中戦略・経済対話が、2日間の日程を終えて10日、閉幕しましたが、北韓の非核化を目指す具体策に温度差がみられました。
米中戦略・経済対話には、アメリカからケリー国務長官、中国から楊潔チ国務委員ら閣僚と担当の幹部職員が出席し、サイバー攻撃、中国の対外拡張、為替などについて意見を交わしました。
そして北韓の核問題も重要な議題の一つとなり、双方は韓半島の非核化に向けて連携を強化することでは一致しました。
しかしアメリカのケリー国務長官は、会談後の記者会見で、「アメリカと中国は、韓半島の非核化と安定によって、繁栄する韓半島を実現することが重要だとする認識で一致した」としたうえで、「中国は北韓に対する制裁措置とその実行を強化してきたが、北韓の非核化に向けてできることがもっとある。中国は、そういった意味で独特な位置にあり、その責任をよく知っているはずだ」と述べ、北韓に対して引き続き圧力をかけていくべきだとする姿勢を示しました。
一方、中国の楊潔チ国務委員は、「平和的な方法による非核化の実現と、韓半島の平和と安定を維持することの重要性を確認した」としたうえで、「すべての関係国は、慎重に言動し、緊張緩和に向けた措置を取るべきだ」と述べ、圧力よりは対話を重視する考えを示し、北韓の核問題をめぐって双方に温度差があることが浮き彫りになっています。