日本が青森県六ヶ所村に建設を進めている使用済み核燃料再処理工場が完成すれば、年に2000個の核爆弾を製造できるプルトニウムを分離できるとする主張が、アメリカの核専門家から示されました。
ワシントンにあるシンクタンク、核兵器不拡散政策教育センターのヘンリー・ソコルスキー所長は、現地時間の11日、アメリカ下院外交委員会が開いた原子力協定の公聴会に出席して意見を述べました。
このなかで、ヘンリー・ソコルスキー所長は、「再処理工場が完成すれば、日本は年に2000個の核爆弾を製造できるプルトニウムを分離できる。これはアメリカの地域安保に対する挑戦だ」として憂慮の念を示しました。
そしてヘンリー・ソコルスキー所長は、「アメリカ連邦議会は、政府が日本との原子力協定の交渉をやり直して、日本が原子力計画を再検討するよう要求すべきだ」と強調しました。
六ヶ所村の核再処理工場は、原子力発電所で一度燃やした核燃料の中から、プルトニウムを取り出すための工場で、1年間におよそ8トンものプルトニウムを生産できることから、韓国や中国など周辺国では、10月の再処理工場完成によって、日本が本格的な核武装の道に入るのではないかとする懸念を抱いています。