北韓がミサイルの性能改良に積極的に取り組み、ミサイルや放射砲を発射する車両の近代化にも力を入れていることがわかりました。
韓国国防部の関係者が17日、明らかにしたところによりますと、北韓が14日に東海に向けて放射砲を発射した際の様子が映った映像を分析した結果、発射には、これまで見られなかった新型の発射車両が使われていたということです。
この新型発射車両は、中国のメーカーが1980年代にオーストリアのメーカーの技術を取り入れて製造したもので、これまでの車両に比べて移動速度などの面で性能が優れており、新型の放射砲を搭載する目的で導入したものとみられます。
これは、北韓がミサイルの改良を進める一方で、砲の自動化を図っていることを意味するもので、中国製車両を大量に導入して発射車両の数を増やしていく可能性も高いものとみられています。
また、北韓軍は、従来の240ミリ放射砲の口径を300ミリに拡大して火力を増強しているうえ、300ミリ放射砲の射程距離を延長する実験を着実に進めています。
その結果、射程距離は200キロに達するものと推定され、休戦ラインに比較的近い北韓の開城(ケソン)から発射した場合、韓国の陸・海・空軍本部がある忠清南道(チュンチョンナムド)鷄龍台(ケリョンデ)や、主力戦闘機が配備されている忠清(チュンチョン)道・江原(カンウォン)道一帯まで打撃することができるものとみられています。
さらに一部の放射砲は、GPS=全地球測位システムを利用した誘導装置を搭載しているため精密打撃も可能と考えられ、韓国にとって新たな脅威となっています。