去年7月、積荷の下にキューバからの兵器を隠し、パナマ運河を通過しようとした北韓の貨物船がだ捕された事件で、国連の安全保障理事会は28日、貨物船を運航していた北韓の海運会社を安保理決議に違反したとして制裁対象に加えることを決めました。
国連安保理の北韓制裁委員会が制裁の対象としたのは、北韓の海運会社OMM=オーシャン・マリタイム・マネッジメントです。
この兵器について、北韓とキューバは、修理のために輸送していたものと主張していましたが、北韓制裁委員会では、「安保理の北韓に対する制裁決議は、修理、点検、物理・化学試験など兵器に関するあらゆるサービスが含まれる」と説明しています。
また、北韓制裁委員会では、「キューバにある北韓大使館の関係者が兵器の輸送にかかわっていたことがわかった」と強調しています。
この問題は、去年7月、キューバから北韓に向かっていた北韓の貨物船「清川江(チョンチョンガン)号が、パナマ運河で臨検を受けた際、積荷の砂糖袋の下から、解体した戦闘機やミサイルの部品などが見つかったもので、北韓の武器取り引きを禁止した国連安保理決議に違反するとして船がだ捕されていました。
また、船長と1等航海士ら3人が兵器を違法に密売した罪でパナマの裁判所に起訴されていましたが、先月27日に無罪判決が言い渡されています。