最近の慰安婦問題をめぐる動きについて、1996年に旧日本軍の慰安婦問題に関する国連報告書を作成した国連人権理事会の元特別報告官は9日、「後退している」との懸念を示しました。
この元特別報告官は、1996年に旧日本軍の慰安婦問題に関する国連報告書を作成したクマラスワミ氏で、現地時間の9日、スリランカ・コロンボの自宅で韓国の合同取材団に対して述べたものです。
このなかで、クマラスワミ氏は、「日本政府は1995年以前の強硬な姿勢に戻りつつあり、最近の慰安婦問題をめぐる動きは後退している」と指摘しています。
クマラスワミ氏は韓国や北韓、日本での調査をもとに、旧日本軍慰安婦問題に関する報告書を作成し、1996年に国連経済社会理事会に提出していて、報告書では旧日本軍の慰安婦制度を「性奴隷制」と表現して、日本に対し、法的責任を認め、賠償するよう求めた報告書としてしられています。
この報告書は、慰安婦問題を本格的に取り上げた事実上最初の国連報告書で、国際社会でこの問題を議論する際にこれまで参考にされてきました。