旅客船沈没事故に関連して、船会社の実質的なオーナーで、横領や脱税の疑いで指名手配されていた兪炳彦(ユ・ビョンオン)氏が変死していた問題で、警察当局は19日、他殺ではないとする最終報告をまとめて発表しました。
セウォル号の沈没事故では、船会社「清海鎮(チョンヘジン)海運」の実質的オーナー、兪炳彦氏や長男らが横領や脱税などの疑いで指名手配され、このうち、父親の兪炳彦氏は、逃亡中変死しているのが見つかり、公訴権なしとして不起訴になった一方、長男は横領・背任の罪で起訴されています。
警察では、逃亡中変死していた兪炳彦氏の死因について、遺体をくわしく調べてきましたが、現場の状況や他殺と判断できる手がかりや証拠もなく、他殺の可能性はないとの最終報告をまとめたものです。
また、最終的な死因について、警察では、低体温症と判断していますが、先月行われた国立科学捜査院の調査では、腐敗が激しく、死因を特定できず、骨折などの外傷もなく、薬物や毒物も検出されなかったということです。
今回の警察の発表については、およそ1か月にわたって捜査を行ったにもかかわらず、死因などについて、これまで提起された疑問を解消できなかったことや、捜査に大きな進展がなかったことなどから、手抜き捜査と批判する声が上がっています。