産経新聞ソウル支局長の書いた、朴槿恵(パク・クネ)大統領をめぐる記事が、大統領の名誉を傷つけたとして市民団体から告発され韓国の検察が捜査している問題で、国際ジャーナリスト団体の「国境なき記者団」のベンジャミン・イシュマル・アジア支部長は8日、ウェブサイトに、産経新聞のソウル支局長を起訴しないよう韓国政府に要求する文書を載せました。
産経新聞の加藤達也ソウル支局長は、先月3日に、セウォル号が沈没した当日、朴槿恵大統領が7時間にわたって所在不明だったと伝えた韓国メディアの報道などを引用し、知人の男性と会っていたなどとする論議が起きているとする記事を新聞のウェブサイトに掲載しました。
このため大統領の名誉を傷つけたとして市民団体から告発され、ソウル中央地方検察庁が加藤支局長から事情聴取を行い、起訴に踏み切るのかどうかが注目されています。
これについて、国境なき記者団のベンジャミン・イシュマル・アジア支部長は、「報道メディアが大統領を含む政治家の行動に疑いを提起するのは極めて正常なことだ」として、「検察は加藤支局長を起訴してはならず、移動制限も解除すべきだ」として、加藤支局長に対する出国禁止措置を解除するよう求めています。