ニューヨークでの国連首脳会合に合わせて、アメリカのケリー国務長官の呼びかけで開かれた北韓の人権問題をめぐる閣僚級会議で、ケリー国務長官が政治犯収容所の閉鎖を求めて北韓の人権について強く非難したのに対して、北韓はアメリカが「人権騒動」を起こしていると強く反発しました。
現地時間の23日午前に開かれた北韓の人権問題をめぐる閣僚級会議には、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官をはじめ、日本、オーストラリア、ヨーロッパ諸国の外相、国連人権高等弁務官らが出席しました。
会議でケリー長官は、3人のアメリカ人が北韓に抑留されている問題については触れなかったものの、人権侵害が組織的に行われているとして、北韓に対して政治犯収容所を直ちに閉鎖するよう強く求めました。
また国連の北韓人権報告書によって北韓の人権問題があらわになったとして、北韓に対するさらに強力な人権決議案を採択するために世界各国とともに努力すると強調しました。
これについて韓国の尹炳世長官は、北韓の人権をめぐる南北間の対話を提案したほか、韓国が国連の「北韓人権事務所」をソウルに開設するために努力していることを紹介し、韓国も北韓の人権問題に積極的に取り組んでいくと述べました。
日本の岸田外相も、北韓の日本人拉致などについて非難し、EU=ヨーロッパ連合などと協力して国連総会で北韓に対する別の人権決議案を提出することを明らかにしました。
これに対して北韓の国連代表部は、北韓がこの会議に出席する意向を示したにもかかわらず、アメリカが拒否して北韓の状況をわい曲する「人権騒動」を起こしている。一方的な北韓人権報告書は受け入れられない」と反発しました。
北韓は27日、リ・スヨン外相が長官クラスとしては15年ぶりに行う国連総会での基調演説で、さらに強く反発するものとみられます。