北韓では25日に国会に当たる最高人民会議が平壌(ピョンヤン)で開かれ、韓国の空軍司令官にあたる航空・反航空軍司令官が初めて国防委員に選出されましたが、これはイスラム過激派組織の「イスラム国」に対するアメリカの空爆を意識して、北韓の防衛体制を強化する狙いがあるのではないかとする見方が出ています。
25日の最高人民会議で、最も目を引いた人事は、韓国の空軍司令官にあたる李炳哲(リ・ビョンチョル)航空・反航空軍司令官が国防委員に任命されたことです。
北韓で、空軍司令官に当たる人物が国防委員に任命されたのは、初めてです。
これについて民間の研究機関の世宗(セジョン)研究所に勤める専門家は、アメリカがイスラム過激派組織「イスラム国」への空爆を行ったことから、アメリカが北韓の首脳部を空爆する可能性もあると判断し、それに対抗するための「反航空軍」戦力を大幅に強化する狙いがあるという見方を示しています。
また25日の最高人民会議では、金正恩(キム・ジョンウン)第一書記が欠席し、健康に異常が出て治療を受けているとする観測も出ていますが、故金正日(キム・ジョンイル)国防委員長も最高人民会議の偶数回の会議には概ね欠席していて、正恩氏の今回の第2回会議への欠席を健康の問題によるものと判断するのは性急だとする声も出ています。