北韓軍兵士の離脱が急激に増えていて、住民の間で広がっている韓国のドラマや映画などの動画が軍の内部にも浸透していることが、KBSの取材でわかりました。
KBSが、北韓でおととし作成された北韓軍内部の動向に関する文書を入手して20日、報じたところによりますと、北韓の軍隊では、地位を問わず、食糧不足などの理由から離脱する兵士が増えているということです。
文書には、金正恩(キム・ジョンウン)第一書記が、離脱した兵士を1人残らず捕らえることを重要課題として指示したと記されています。
また住民の間で広がっている韓国のドラマや映画などの動画が、軍の内部にも浸透しているということです。
事例として、人民武力部や総参謀部などの将校が動画を所持し、発覚したことや、1つの部隊で1年間、数百枚のCDやDVDが押収されたことなどが挙げられています。
去年1月には、金書記の名義で、すべての部隊に対して、韓国の放送を観たり、アダルトビデオを流通させたりした人を探し出し、処罰するよう、指示が下されたとしていて、文書からは、軍のモラルハザードへの北韓軍指導部の懸念がうかがえるということです。