韓国とベトナムのFTA=自由貿易協定の交渉が、2年4か月ぶりに妥結しました。
朴槿恵(パク・クネ)大統領は10日、釜山で開かれる韓国とASEAN=東南アジア諸国連合の特別首脳会議に出席するため韓国を訪れたベトナムのグエン・タン・ズン首相と会談したあと記者会見し、両国のFTA交渉が妥結したことを宣言しました。
おととし8月に両国の通産相会談で交渉開始が宣言されてから2年4か月ぶりの妥結で、ベトナムは韓国の15番目のFTA締結国になりました。
両国は来年上半期の発効に向けて、仮署名を行い、続いて正式な署名と国会の批准を進めることになります。
ベトナムとのFTAの交渉は、2007年に発効した韓国とASEANとのFTAで開放されなかった品目を自由化する方式で進められ、その結果、商品やサービス、電子商取引などを包括する17の項目で妥結しました。
なかでも両国は、乗用車、貨物車、化粧品、生活家電などを新たに自由化し、コメ、にんにく(生鮮)、しょうが(生鮮)などは自由化の対象から完全に外すことで合意しました。
これによって、ベトナムは、輸入額ベースで自由化率が、韓国とASEANとのFTAに比べて6%、韓国は3%上昇しました。
韓国は、2009年に日本とベトナムのFTAが発効したことで、日本に比べて価格競争力で不利でしたが、今回の交渉妥結で、自由化率が日本より2.1ポイント高くなり、タイヤ、織物、鉄道車両部品などで有利な条件の競争が可能になりました。また、ASEANとのFTAのさらなる自由化を進めるうえでも有利な条件が整えられました。
ベトナムは去年の時点で、韓国にとって9番目の貿易相手国、4番目の投資相手国 で、ASEAN加盟国のなかでは、2番目の貿易相手国、最大の投資相手国となっています。