朴槿恵大統領の名誉を傷つけたとして起訴された産経新聞の前のソウル支局長に対する裁判に、朴大統領の元補佐官のチョン・ユンフェ氏が来月、証人として出廷することになりました。
この事件は、ことし8月に産経新聞の当時のソウル支局長の加藤氏が、朴大統領が旅客船セウォル号が沈没した当日、青瓦台にいなかったと伝えた韓国メディアの報道などを引用し、チョン・ユンフェ氏と会っていたとして、親密な男女関係があるかのように報道し、韓国の市民団体が大統領の名誉を傷つけたとして告発していたものです。
ソウル中央地方裁判所は15日に加藤前支局長に対する裁判を開き、先月27日の裁判で検察側の要請で証人として認められたチョン・ユンフェ氏に対する証人尋問を来月19日に行うことにしました。
チョン氏は、検察の調査で、事故当日の午前11時から午後3時まで、大統領府青瓦台から離れたソウルの江北(カンブク)地区で知り合いの漢学者と会って食事をしていたと供述し、加藤前支局長への刑事処罰を求めています。
一方、加藤前支局長側は、事故当日の朴大統領の動静を知っている随行秘書か秘書室長を証人として出廷させるよう裁判所に要請していますが、検察は、秘書室長は国会で何度も「事故当日に大統領は青瓦台にいた」と明らかにしているとして、反対の意見書を提出しました。
裁判所は、加藤前支局長側の意見書の提出をさらに受けたうえで、事実照会を認めるかどうかを決める方針です。