中国外務省の洪磊副報道局長は8日の記者会見で、8日に誕生日を迎えた北韓の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記に祝賀のメッセージを送ったことを明らかにし、会見後に「新たな年にあたって、中国は伝統の継承、未来への志向、善隣友好、協力強化の方針で中朝の伝統的友好協力関係を発展させたい」と呼びかける談話を発表しました。
「伝統継承・未来志向・善隣友好・協力強化」は、2001年に当時の江沢民国家主席が北韓を訪れ、故金正日(キム・ジョンイル)国防委員長との会談で確認した両国関係の基本原則で、北韓との友好関係を強調する際に言及されてきました。
去年9月に北韓の建国記念日に合わせて中国が北韓に送った祝電では、この言及がなく、中朝関係の悪化を反映したものだという見方が出ていましたが、今回、中国政府が、この表現を使ったことで、中国が北韓との関係改善に向けた意志を示したものと受け止められています。
また談話では、「中国と北韓は友好的な隣国であり、両国は長期にわたって友好交流の伝統を保ってきた」としています。
中国と北韓は、金正恩政権による核実験の強行と、親中派の張成沢(チャン・ソンテク)国防副委員長を処刑したことによって、関係が悪化した状況が続いていますが、これを機に関係改善に向かうか、どうか注目されます。