韓国の三星電子の半導体工場で働く従業員に白血病などの健康被害を訴えるケースが相次いでいるなか、三星電子は16日、被害者らによる家族対策委員会に対して賠償と再発防止対策を発表し、白血病を含むすべての血液がんを賠償の対象に含める方針を明らかにしました。
三星電子は、半導体の洗浄に白血病の誘発要因となるベンゼンを使用していました。これまでに60人あまりが亡くなっています。
ソウル行政裁判所は2011年6月、工場勤務と白血病発病の因果関係を認める判決を下しました。
三星電子が被害者への賠償計画を発表したのは、 去年5月に三星電子の副社長が公式謝罪してから8か月ぶりのことです。
三星電子は、賠償の対象として、医学上認められている5つの血液がんをはじめ、労災の承認を受けたことのある脳腫瘍や乳がんも含めるとしています。
また、在職中はもちろん、退職後10年以内に発病した人も対象に含めるとしています。
ただ、賠償の金額については、「客観的な基準がないため合理的な水準で決めることになる」とする考えを示しました。