韓国では、85歳以上の人口の増加で、高齢者が高齢者を介護するいわゆる「老老介護」が増えていることから、高齢者への虐待や自殺への懸念が高まっています。
健康保険公団によりますと、60歳以上の高齢者が親と同居している世帯は、おととし14万2065世帯で、去年は15万世帯前後と推計されるということです。
85歳以上の人口の増加にともなって、「老老介護」の世帯は、今後も増え続ける見通しです。
一方、韓国では去年、高齢者の2人に1人が、所得が国民の「平均値」の半分に満たない貧困状態にあるという統計が出ていて、80歳以上の高齢者の自殺率は、10万人あたり123人と、10代の自殺率の24倍に達しています。
専門家らは、韓国の高齢者の自殺率が世界で最も高い理由として、高齢者の貧困率が高いことをあげていて、老老介護が増えるにつれ、60代や70代の高齢者が親を虐待したり、介護疲れや貧困によって自殺に追い込まれることも懸念されることから、政府の早急な対策が求められると話しています。