安倍首相がアメリカの教科書の慰安婦関連表記を問題視する発言をしたことについて、アメリカの歴史学者19人が非難する声明を発表しました。
安倍首相は、先月29日、衆議院予算委員会に出席してアメリカの公立高等学校の教科書に載っている「日本軍が20万人の慰安婦を強制動員した」とする慰安婦関連内容を見て「本当に愕然とした」とし、慰安婦強制徴用など訂正すべき点を国際社会に向かって訂正してこなかった結果、このような教科書が使われている」と述べて、積極的に修正を要求する意向を明らかにしました。
これに対し、アメリカ・コネチカット大学のアレクシス・ダデン教授をはじめとするアメリカの歴史学者19人は5日、声明を発表し、「日本政府が第2次世界大戦当時、日本の野蛮的な性搾取によって苦しんだ旧日本軍慰安婦について、日本やほかの国の歴史教科書の記述を抑圧しようとしている。歴史学者として驚愕を禁じえない」と非難しました。
声明は、そのうえで、「国や特定の利益団体が政治的目的のために出版社や歴史学者に研究結果を変えるように圧力をかけることに反対する」としています。