北韓外務省の李容浩(リ・ヨンホ)次官がアメリカの元高官らに対し、韓米合同軍事演習を中止する見返りに核実験を猶予し、核弾頭の小型化に向けた取り組みも中止するという意向を伝えていたことが分かりました。
これは、先月18日から2日間、アメリカ国務省のスティーブン・ボズワース元北韓政策担当特別代表らと北韓の李容浩次官がシンガポールで接触した際に同席した、アメリカのジョゼフ・デトラニ氏が10日、韓国のメディアに対して明らかにしたものです。
デトラニ氏は、ブッシュ政権で韓半島担当特別大使を務めた北韓専門家です。
デトラニ氏によりますと、先月のシンガポールでの接触で、北韓の李容浩次官は、「韓米合同軍事演習の中止と、核実験と核兵器の小型化に向けた取り組みの中止は、互いに信頼を構築うえでプラスになるだろう」と述べたということです。
北韓が中止を求めた演習は、小規模の演習ではなく、「キーリゾルブ」など大規模な演習だということです。
デトラニ氏は、「李次官は、韓米合同軍事演習の目的は、北韓の政権交代と信じていた。しかし、アメリカとしては、これは40年間続けてきた防衛のための訓練で、北韓の要求は非現実的」としています。
デトラニ氏はそのうえで、「対話が中断されている間、北韓は核兵器の小型化に向けて4回目の核実験を進めると考えるのが現実的だ」と指摘しました。