2013年2月に3回目の核実験を行った北韓が、その3年前の2010年5月にも核実験を行っていたとする主張が、スウェーデンと中国に次いでアメリカやドイツの専門家から出され、北韓の核問題に対する国際社会の対応に問題がなかったかどうかを憂慮する声が出ています。
北韓の労働新聞は、2010年5月12日、北韓が核融合実験に成功したと報道しましたが、韓国とアメリカは当事、事実無根だとして否定していました。
ところが2012年4月に、スウェーデン国防研究所の科学者は韓半島上空の大気を分析した結果、北韓が2010年4月と5月に2回、核実験を実施したものとみられると主張しました。
また去年11月には中国科学技術大学研究チームも、北韓が2010年5月に小規模な核実験を実施したことが「微震観測方式」で確認できたと報告しています。
これに続いて今度はアメリカとドイツの科学研究者が、このほどアメリカの核科学者会報に報告書を掲載し、ことし1月の地震波研究の結果、北韓が2010年5月に核実験を行ったことは間違いないものとみられるとしています。
これについて、アメリカは公式には否定していますが、ワシントンの関係筋は、「北韓が2010年5月に通常の核分裂実験ではなく、核融合方式などを取り入れた新たな形態の核実験を行った可能性を排除できない」とする認識を示しています。