スプレーやフェルトペンなどを使って壁などに描く落書きの「グラフィティ」が、最近、ソウルの地下鉄車両で相次いで見つかっていて、対策が急がれています。
国土交通部の鉄道特別司法警察隊によりますと、おととしに1件に過ぎなかった地下鉄車両へのグラフィティは、去年12件に増えたのに続いて、ことしに入ってすでに4件に上っています。
そのほとんどが外国人によるもので、鉄道特別司法警察隊はグラフィティ事件だけを担当する捜査官を置いているほどです。
先月2日には、ヒップホップ帽子をかぶって、フード付きのスウェットを着た4人組の白人が、深夜にソウル往十里(ワンシブリ)駅の換気口のふたを切断し、はしごを使って駅内に侵入し、車庫に停車していた地下鉄5号線の車両にスプレーでグラフィティを描いている姿が防犯カメラに映っていました。
このグラフィティを分析した結果、オーストラリアやカナダなどで活動するグループによるものであることがわかりましたが、犯人らはすでに韓国を発ったあとでした。
専門家らは、「自分のグラフィティが描かれた車両が都市を走るのは、グラフィティの世界では最高の栄誉と思われている。なかでも、韓国の地下鉄はきれいに管理されているため、標的になりやすくなっている」と話しています。
ソウル都市鉄道公社は、事件発生後、地下鉄5号線から8号線の157の駅の換気口の溶接を行い、機械警備システムを設置するなど地下鉄駅への侵入を防ぐための対策を急いでいます。