スイスで続いていたイランの核問題の包括的な解決に向けた国際交渉が2日、枠組み合意に達し、長期膠着状態に陥っている北韓の核問題をめぐる交渉にどのような影響を与えるのか注目されます。
アメリカの政界では、楽観論と悲観論が飛び交っていて、このうち、楽観論としては、アメリカが交渉の期限を何度も延長してまでイランの核交渉を妥結させたことから、北韓の核問題をめぐっても「対話と交渉」の余地を設けるのではないかとする見方が出ています。
また、オバマ大統領が任期が終わる前に急いで業績を残そうと、キューバとの国交正常化、イランの核交渉の妥結に続いて、北韓とも歴史的な駆け引きに出る可能性があるとの見方も示されています。
一方で、イランが、NPT=核不拡散条約の枠組みの中で核の平和利用を主張してきたのに対し、北韓はNPT条約から離脱し、3回も核実験を強行していて、オバマ政権内では、イランと北韓の核問題は次元が異なる問題であるとの認識が強いことから、楽観できないとの見方もあります。
また、アメリカの政界が、今後、本格的な大統領選挙の局面に入った場合、北韓の核問題など外交上の懸案が後回しになるおそれがあることも、北韓の核交渉の今後の見通しを暗くする要因となっています。