死者・行方不明者304人を出した旅客船セウォル号沈没事故から丸1年を迎えた16日、韓国では、全国各地で追悼行事が行なわれました。
修学旅行中の生徒250人が犠牲となった京畿道(キョンギド)安山(アンサン)市の檀園(タンウォン)高校に近い合同焼香所では、16日午前、檀園高校の生徒たちが1年前に修学旅行に出たまま戻らなかった同級生や先輩たちを悼みました。
事故現場に近い珍島(チンド)・彭木(ペンモク)港でも、500人余りの市民が集まり、犠牲者に祈りをささげました。
宗教団体も各地で犠牲者の冥福を祈っています。大韓仏教曹渓(チョゲ)宗をはじめ、全国のお寺では、午前10時に同時に鐘を打ち鳴らし、犠牲者に思いをはせました。
また、キリスト教のプロテスタント団体は、16日から3日間を「追悼のお祈り期間」に指定したほか、カトリック教会の明洞(ミョンドン)聖堂では、16日午後、追悼ミサが執り行われました。
さらに、各大学では、校内に焼香所を設置していて、大学生500人あまりが、ソウルの市庁前広場周辺で追悼の行進を行ないました。
16日夕方には、ソウルの市庁前広場で、市民団体が主催する大規模な追悼行事が行なわれる予定で、犠牲者を悼む公演などが行われることになっています。
一方、安山市の合同焼香所では、午後2時から合同追悼式が行われ、政府関係者や宗教界の代表、市民団体の関係者、市民など5000人余りが出席する予定でしたが、犠牲者の遺族や家族らが政府の対応への不満から開催を中止したほか、李完九(イ・ワング)国務総理が16日朝、弔問に訪れたものの、会場前にいた家族らに反対され、引き返すなど、遺族らの政府に対する根深い怒りと不信が浮き彫りになっています。