ロシアのペスコフ大統領報道官は4月30日、5月に予定されていた北韓の金正恩(キムジョンウン)第1書記のロシア訪問が中止になったと発表しました。
ペスコフ報道官は、金第1書記のロシア訪問中止について、「外交チャンネルを通じて知らされた。北韓の国内事情に関連した決定だ」と述べました。
「北韓の指導者のロシア訪問を受け入れないように求める第三国の要請があったのか」という質問に対しては、ペスコフ報道官は「当然なかった」と応えました。
金第1書記は、5月にモスクワで開かれる第2次世界大戦の戦勝記念行事に出席し、ロシアのプーチン大統領と会談する予定でした。
2011年に北韓の最高指導者となって以来、初の外国公式訪問として、ロシアの招きに応じた30か国あまりの首脳との顔合わせの場にもなるとみられていましたが、今回の訪問取り消しで、多国間外交舞台デビューは見送られることになりました。
現時点では、金第1書記がロシア訪問を取り消した正確な理由は確認されていません。
一部では、最高指導者に就任後、一度も外遊を行ったことのない金第1書記が中国ではなくロシアを先に訪問することに負担を感じたためとの見方がある一方で、ロシアと北韓が首脳会談の議題の調整に失敗したか、金第1書記の警護に問題があったのではないかとの見方も出ています。
これについて、韓国軍の関係者は1日、「北韓内部に特別な問題はないようで、個人的な理由によるものと推定される」と明らかにしました。