政府の経済関連部署は、今月下旬に発表することになっている、今年下半期の経済政策方向に、マーズ=中東呼吸器症候群感染者拡大の経済への影響を反映するかどうか、苦心しているもようです。
企画財政部の周亨煥(チュ・ヒョンファン)第1次官は1日、マーズ感染者拡大を受けてさらなる景気浮揚策を講じるかどうかについて、「まだ、そのような段階ではない」と述べ、事態の推移を見守ったうえで対応するとの考えを示しました。
韓国では、現在、全体の産業生産が2か月連続で減少、輸出額は5か月連続のマイナスとなっているほか、国内需要も低迷が続いています。
こうしたなか、中国人をはじめとする海外からの観光客による韓国旅行のキャンセルが増えており、経済への影響が懸念されています。
韓国観光公社によりますと、外国人観光客による韓国旅行の予約取り消し件数は、2日現在、前日の2500人から7000人に大幅に増えていて、このうち、台湾と香港を含む中華圏の観光客は6900人となっています。
7~8月の香港などからのホテル予約件数は平年に比べておよそ80%下落しており、旅行業界だけでなく、ホテル業界にも影響が広がっています。
日本からの旅行客も韓国旅行をキャンセルする人が増えていて、日本の航空会社などによりますと、2日と3日の2日間に韓国旅行を取り消した人は、確認された人だけでおよそ100人だということです。
韓国国内でも、修学旅行をキャンセルまたは延期する小・中・高校が増えています。
マーズの感染者拡大が景気回復の足かせとなる恐れが出ていることから、補正予算の編成など、政府がさらなる景気浮揚策に踏み切るか注目されています。