北韓は、ことしも深刻な干ばつに見舞われており、WFP=国連世界食糧計画が食糧不足を懸念しています。
WFPのデービッド・カートルード・アジア地域本部長は、韓国政府との定例協議のため韓国を訪れ、聯合ニュースのインタビューに対して、「北韓では干ばつが続いていて、食糧需給への懸念が強まっている。まだ梅雨入りしていないため、様子を見る必要があるが、食糧の供給不足が深刻になれば、食糧支援を増やすこともあり得る」と説明しました。
去年、北韓の降水量は平年に比べて61%に過ぎず、深刻な干ばつに見舞われていましたが、ことしも田植えの時期の5月の降水量が平年の57%にとどまっています。
韓国統一部は、北韓の降水量不足が来月初めまで続けば、食糧生産量が前の年に比べて15%から20%減少すると見込んでいます。
一方、WFPによる北韓住民への食糧支援の募金額は7500万ドルで、目標としている募金額、1億3700万ドルの55%にとどまっています。WFPはことし3月と4月に合わせて156万人の北韓住民に食糧を支援しましたが、これも目標としている人数の40%に過ぎないということです。
WFPの別の関係者は、「1990年代後半から北韓への食糧支援を行い、食糧不足は少しずつ改善しているが、依然として広範な栄養失調が存在し、なかでも生後1000日以内の幼児の栄養失調が深刻だ。北韓住民への食糧支援のための募金は、目標の半分しか集まっておらず、周辺国の関心が切に求められる」と話しています。