北韓の人権状況を調べるための現地組織、国連の「北韓人権事務所」が23日にソウルに開設されると、アメリカの政府系放送、ボイス・オブ・アメリカが19日伝えました。
それによりますと、匿名を要求した国連筋は18日、ボイス・オブ・アメリカとの電話インタビューに応じ、「事務所の開所式が23日にソウル市のソウルグローバルセンターで開かれる。国連人権高等弁務官事務所は事務所長を内定し、5~6人の職員も決めた」と明らかにしたということです。
開所式には、国連人権高等弁務官事務所のゼイド・フセイン高等弁務官も出席するものとみられています。
また別の消息筋は、「国連人権高等弁務官事務所が北韓の人権問題を主要懸案に韓国を訪れるのは初めてだ。北韓の人権問題が韓半島に限られた懸案ではなく、国際社会が解決すべき問題だという共通認識を確認するもの」としています。
北韓の人権状況に関する国連調査委員会は去年2月、1年間の調査活動をまとめた報告書のなかで、北韓で反人道的な犯罪が行われていると指摘し、責任追及などの措置を取るための組織を設置するよう提案しました。
これを受けて、韓国政府は、ソウルへの事務所設置に向けて国連人権高等弁務官事務所などと協議を重ね、今年5月に事務所設置に関する覚書を交わしています。