韓国国内の北韓人権団体が、2000年から2002年までの頃に北韓北東部の咸鏡南道(ハムギョンナムド)耀德(ヨドク)にある政治犯收容所に収監されていた人の名簿を公開し、このほどソウルに開設された国連の北韓人権事務所に関連資料を提出しました。
韓国国内の北韓人権団体、北韓反人道犯罪撤廃国際連帯は26日、ソウルで記者会見し、2000年から2002年までの頃に北韓の耀徳収容所に収監されていた400人余りのうち、180人の名前や年齢、収監の理由などが記された報告書を公開しました。
この報告書は、2000年から3年間、耀徳収容所に収監されていたチョン・グァンイルさんの記憶をもとに作成されたものです。
チョン・グァンイルさんは、記者会見で、「去年10月に耀徳収容所の施設が閉鎖されたことが衛星写真で確認された。一緒に収監されていた400人余りがどこに移されたのか、行方を明らかにしなければならない」と訴えました。
北韓反人道犯罪撤廃国際連帯は、今回公開した報告書を、このほどソウルに開設された国連の北韓人権事務所に提出しました。
北韓人権事務所は、報告書をもとに関係者から話を聴くなど、実態調査にとりかかることにしていて、政府も、北韓人権事務所の要請があれば、情報提供などで積極的に協力するとしています。
北韓では、現在、4つの政治犯収容所に8~12万人が収監されているとされていますが、北韓当局は、政治犯収容所はなく、教化所があるのみだと主張しています。