韓国で同性婚を認めるよう求める初めての裁判が行われました。
ソウル西部地方裁判所では、同性婚カップルの映画監督のキムジョ・グァンス氏(50)とキム・スンファン氏(31)がソウル西大門(ソデムン)区を相手取って同性婚を認めるよう求めて起こした訴訟の初めての審理が行われました。
この訴訟は、正式な訴訟ではなく、民事の法律関係に関する事項について、裁判所が通常の訴訟手続によらず、簡易な手続で処理をし、後見的な判断をする非訟事件となっています。
2人は、審理に臨む前の会見で、「『大韓民国のすべての国民は法の下に平等である』という憲法の精神がこの裁判で明らかになるよう最善を尽くす」と決意を示しました。
審理は非公開で行われ、原告側の弁護士は、「憲法裁判所が1997年に、名字や本貫を同じくする同姓・同本の結婚を禁じた民法条項について、憲法に合致しないという判決を下したとき、憲法第10条の幸福追求権に言及した。つまり憲法裁判所は、憲法第10条が婚姻の自由と婚姻相手を決める自由も含んでいると解釈した」と主張しました。
2人は、2013年9月に結婚式を挙げたあと、西大門区に婚姻届を出しましたが、同性婚は民法で定める夫婦としての合意とは見なせないという理由から受け付けられませんでした。
これに対して「民法に同性間の婚姻を禁じた条項はない」として、婚姻の自由と平等を定めた憲法にもとづいて同性婚を認めるよう、去年5月にソウル西部地方裁判所に訴訟を起こしています。