これまで韓国経済の成長を牽引してきた造船、鉄鋼、電子、自動車産業の業績がそろって悪化し、韓国の製造業に赤信号が灯りました。
韓国の大手造船会社の大宇(テウ)造船海洋と三星(サムソン)重工業は、29日、今年4月から6月までの第2四半期の業績をそれぞれ発表し、膨大な営業損失となったことを明らかにしました。
このうち大宇造船海洋の今年第2四半期の営業損失は3兆300億ウォンに上り、三星重工業の営業損失は1兆5500億ウォンとなっています。また現代(ヒョンデ)重工業も1700億ウォンの営業損失となっています。
電機メーカーの業績も芳しくなく、LG電子の第2四半期の営業利益は2400億ウォンで、去年の同じ期間に比べて60%も減り、これまでで最少となっています。また三星電子の営業利益は6兆9000億ウォンでしたが、去年の同じ時期に比べて4%減りました。
鉄鋼メーカーの業績も悪化を続けていて、鉄鋼最大手のポスコが業績悪化を受けて大規模なリストラ計画を発表しているほか、東国(トングク)製鋼は、去年7月から9月までの第3四半期以降、赤字が続いて、本社の建物を売却するなどの対策を講じています。
さらに自動車メーカーの現代・起亜自動車の今年上半期の営業利益は4兆5000億ウォンで、去年の同じ時期に比べて19%減っています。
韓国の製造業の不振の背景には、価格競争力と技術力を備えた中国メーカーの追い上げが激しいなか、日本などの技術先進国との技術格差が縮められずにいることがあり、専門家は、「世界市場で生き残るには、成長の可能性が高いビジネスに集中する事業の再編成を早期に行う必要がある」と指摘しています。