韓国軍当局が、北韓向け拡声器放送を再開した地域に、もっとも高いレベルの警戒態勢を敷きました。
国防部の関係者が11日、明らかにしたところによりますと、10日午後から北韓向け拡声器放送を再開した京畿道(キョンギド)坡州(パジュ)の陸軍第1師団など2か所に、もっとも高いレベルの警戒態勢を敷き、監視カメラや無人偵察機で北韓軍の動向を見守る一方、北韓の挑発に直ちに対応できるよう対戦車ミサイルなどを配備したということです。
また軍当局は、北韓が拡声器に向けて照準射撃をしてくる場合、国連憲章にしたがって自衛権を行使する方針だとしています。
2010年に、韓国海軍の哨戒艦「天安(チョナン)艦」が北韓の魚雷攻撃で沈没した事件を受けて、韓国政府が対応措置として北韓向けの拡声器放送を再開すると発表した際、北韓は、直ちに照準射撃を行うと威嚇しました。
一方、北韓が韓国側の非武装地帯に地雷を埋設して、韓国軍兵士2人が負傷した事件を受けて、大統領府青瓦台の報道官は11日、「北韓の明白な挑発で、停戦協定と南北間の不可侵合意に反するものだ」として、 北韓に対して、謝罪と責任者の処罰を求めました。
また国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は現地時間の10日、報道官による声明で、「大変憂慮すべきことだ。北韓は停戦協定上の義務を守り、今回の事件に関する対話の場に出るべきだ」と述べました。