非武装地帯の韓国側で北韓が埋設した地雷が爆発して韓国軍の兵士2人が重傷を負った事件を受けて、韓国軍は、南北軍事境界線付近に設置されている拡声器をすべて使い、北韓向け宣伝放送を全面的に実施していくとともに、宣伝放送用に、性能を強化した移動式の拡声器を新たに投入することを決めました。
韓国軍関係者が12日に明らかにしたところによりますと、韓国軍は、10日午後から2か所で行っていた拡声器を使った北韓向け宣伝放送を12日には4か所に拡大し、近く、すべての前線で実施する予定だということです。
また、韓国軍関係者は13日、北韓向け宣伝放送用に、車両に装着して移動できる、性能を強化した新型の拡声器を新たに投入すると明らかにしました。
南北軍事境界線付近の11か所に設置された固定式の拡声器からは最長およそ10キロ先に音が届きますが、デジタルの新型移動式拡声器は20キロ以上先まで届くということです。また、移動式なため、北韓軍の攻撃をかわしやすいということです。
また、韓国軍は、撤去した電光掲示板を再度設置し、音だけでなく映像も利用し、宣伝活動を行うことも検討しているということです。
さらに、韓米両国軍は、事件を受けて、17日に始まる韓米乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン(UFG)演習と、軍の統合火力訓練を強化することにしています。
このうち、軍の統合火力訓練は、12日に韓国北部の陸軍訓練場で始まり、
およそ2000人の兵力のほか、韓国軍の主力戦車K2、機動ヘリコプターSurion(スリオン)、アメリカ軍のブラッドレー装甲車、パラディン自走砲、ヘリコプター「アパッチ」などが動員され、過去最大規模となっています。
この訓練は、およそ3年ぶりに行われるもので、今月末まで4回に分けて行われます。
韓国軍は、北韓のさらなる武力挑発に備えて、最前線の部隊を中心に警戒を強化しています。