国産牛乳の在庫が増えている一方で、チーズや脱脂粉乳など乳製品の輸入が増加していることがわかりました。
酪農振興会によりますと、消費しきれなかった牛乳を保存するために作られる粉ミルクの在庫は、ことし6月の時点で26万4744トンに上り、1年前の去年6月に比べて38%増加しました。
粉ミルクの在庫は、去年11月に11年ぶりに20万トンを超えて以来、ことし6月まで毎月20万トンを上回っています。
一方、関税庁によりますと、チーズや脱脂粉乳など、牛乳で作る加工製品の輸入は毎年増加しており、ここ3年間は年平均で14.9%ずつ増えているということです。
これについて専門家は、「最近は、例年に比べて平均気温が高くなっているうえ、飼料価格の値下げで牛乳の生産量が増加しているが、牛乳の消費は減少している。一方で、食生活の西洋化でチーズなど乳製品の需要が増えている。しかし、国産乳製品の生産量が需要に追いつかない状況だ。そのため、乳製品の輸入が増加しているものとみられる」と説明しています。