北韓は10日、韓国政府に交流協力を拡大することを呼びかけましたが、韓国政府は、慎重な反応を示しています。
北韓の対韓国窓口機関、祖国平和統一委員会の韓国向け宣伝サイト「わが民族同士」は10日、「先の南北高官級会談での合意にもとづき、南北関係を実質的に発展させていくための重要な方法の一つが、協力と交流を活性化させていくことだ。南北は、人道的な分野だけでなく経済や社会・文化などにも、交流と協力を広げていかなければならない」と強調しました。
そのうえで、合意には実践が伴わなければならないと指摘し、「民族全体が南北の対話と協力、交流を待ち望んでいる」としています。
これに対し、統一部の関係者は、「野球でも安打を積み重ねていくものだ。ホームラン1本ですべてが解決されるわけではない」と述べ、交流協力を全面拡大する前に、南北の間で信頼関係を築いていくことが重要との考えを示しました。
この関係者は、南北当局者会談に向けた接触について、「まだ決まったことはない。商品は完成後に発売するものだが、今はまだモノを製造中だ。市場の状況を見極める必要があり、今のところ、当局者会談を考慮する状況はではない」と述べました。
北韓北東部の咸鏡北道(ハムギョンブクド)・羅先(ナソン)市の洪水被害の復旧支援については、「最も重要なのは北韓の意思だ」と述べ、北韓から支援の要請があれば、検討する考えを示しました。