横領と背任、脱税の罪で起訴され、一、二審で実刑判決を受けた、砂糖・食品・エンターテイメントなどを手がける財閥CJグループの会長、李在賢(イ・ジェヒョン)氏(54)の上告審で、日本の最高裁判所に当たる大法院は10日、背任罪について、審理をソウル高裁に差し戻しました。
李在賢氏は、1990年代の半ばから後半にかけて蓄財した数千億ウォン台の不正資金を運用し、総額1600億ウォン余りを個人的に流用した横領罪と、他人名義の株式投資や海外での特定目的会社の設立などの手口で脱税した脱税罪、日本の不動産購入で会社に損害を与えた背任罪で2013年7月に起訴されました。
一審は、一部の脱税を除く大半を有罪とみなし、李被告に懲役4年、罰金260億ウォンを言い渡し、二審は603億ウォンの横領について無罪とし、懲役3年、罰金252億ウォンに減刑していますが、いずれも背任については有罪を認め、背任額数が5億ウォンを超えるとして、特定経済犯罪加重処罰法を適用しています。
これについて、大法院は、「背任によって得たという利益の金額を具体的に算定できないため、法令を適用し直すべきだ」と指摘し、特定経済犯罪加重処罰法ではなく、法定刑が低い通常の背任罪を適用するよう求め、審理を差し戻しました。
2012年以降、裁判所は、財閥グループのオーナーに対し、相次いで実刑を宣告してきましたが、去年からは、会社に巨額の損失を与え、特定犯罪加重処罰法上の横領・背任などで起訴された財閥の韓火(ハンファ)グループのオーナー、金升淵(キム・スンヨン)会長や、特定経済犯罪加重処罰法上の詐欺などの罪で起訴されたLIGグループのク・ジャウォン会長が、いずれも懲役3年執行猶予5年を言い渡されていて、財閥の企業家による犯罪を厳しく罰してきた裁判所のこれまでの姿勢に変化がみられるとの見方も出ています。