教育部はこのほど中学校の歴史教科書と高校の韓国史教科書を国定化することにし、教育部傘下の韓国史編纂委員会に教科書の編集を任せるとしていますが、歴史教科書の国定化に反対している進歩系の学者らは編集に加わらないと宣言するなどして、問題になっています。
まず、韓国近現代史学会は15日、声明を発表し、「政府が韓国史教科書の国定化を進めていることは歴史に逆行する動きだ」と批判し、学会のすべての会員は国定教科書の執筆に参加しないことを宣言しました。
韓国近現代史学会は、日本統治時代の独立運動史や、経済、政治などの分野の研究者およそ500人が会員となっています。
これに先立って、ソウルの私立大学の高麗(コリョ)大学と慶煕(キョンヒ)大学の教授31人は14日、記者会見し、歴史教科書を国定化するのは独裁政権下の過去に回帰することだとして、国定教科書の編集に加わらないとの立場を表明しました。
また、延世大学教授13人は声明を発表、国定化は極めて政治的な決定だと指摘し、こうした動きには一切関与しないとして、国定教科書の編集に加わらない方針を明らかにしました。
教育部は、保守と進歩を網羅する執筆陣を構成するとしていますが、国定化に反対している進歩系の学者らが編集に加わらないと宣言するなどして、執筆陣の構成は難航するものと予想されます。