韓国を訪問中の鳩山由紀夫元首相は5日、ソウル大学で講演し、慰安婦問題をはじめ歴史認識問題などをめぐり、安倍晋三首相を批判しました。
2日にソウルで行われた韓日首脳会談については、「歴史認識をめぐり両首脳間の溝が埋まったわけではなかった」としながらも、「対話で問題を解決する姿勢が生まれたことはよかった」と評価しました。
安倍首相が8月に発表した戦後70年談話については、「評価される内容ではない。侵略、植民地支配、反省と謝罪の言葉は盛り込まれていたが、文脈はとても納得のいくものではない。安倍首相本人の反省や謝罪の気持ちとしては伝わらなかった」と批判し、「首相は自らを愛国者とはき違えているのだろうが、自信のなさの裏返しだ」と指摘しました。
さらに、「真の愛国心とは、過去の歴史的な事実に目をつむらず、過ちには謝る勇気を持つことではないか」と述べました。
講演には、学生や学者、政界関係者、市民ら大勢が集まり、盛大な拍手を送りました。