修学旅行の高校生ら304人の犠牲者を出した去年4月のセウォル号沈没事故の控訴審で、殺人罪が認められて無期懲役を言い渡されていた船長は、上告審でも殺人罪が認められ、無期懲役が確定しました。
セウォル号沈没事故の上告審の判決公判は12日、日本の最高裁判所にあたる韓国大法院で行われ、裁判所は船長に対して、控訴審判決の殺人罪を認め、無期懲役が確定しました。
判決文で、裁判所は、「船全体の責任者である船長が、退船命令を出さずに、先に脱出したため、乗客が自ら脱出することを不可能にした。これは、乗客を積極的に溺死させたも同然の行為だと判断した」と説明しました。
多くの人が犠牲となった人命事故で「不作為による殺人罪」が認められたのは、初めてです。
ことし4月に行われた控訴審で裁判所は、船長に対して、1審の、遺棄致死の罪は認めたものの、退船命令を出していたとして殺人罪は認めなかった1審の判決を覆して、殺人罪を有罪とし、無期懲役を言い渡していました。