中国との貿易拡大に支えられ、国際社会による制裁にもかかわらず、北韓の経済が、4年連続でプラス成長を達成したことがわかりました。
韓国銀行によりますと、北韓の実質GDP=国内総生産は、去年、前の年に比べて1%増加し、2011年以降4年連続で1%前後のプラス成長を続けているということです。
これは、社会主義経済圏の崩壊の影響で、年平均マイナス4%台の経済成長率が続いていた1990年代に比べて大幅に改善したものです。
また、韓国政府によりますと、北韓の財政規模は、2010年の51億ドルから、去年は71億ドルとなり、39%増えたと推定されるということです。
主な要因として、北韓と中国との貿易拡大があり、KOTRA=大韓貿易投資振興公社によりますと、2010年から2014年までの間、北韓と中国との貿易は、年平均18.6%ずつ増えています。
これは、中国経済の高度成長により原材料の需要が急増し、北韓の中国向けの鉱物資源の輸出が大幅に増えたためとみられます。
また、2010年に起きた韓国海軍の哨戒艦撃沈事件を受けて北韓に対して取っている、北韓への新規投資を禁止した韓国政府の「5.24措置」の影響で、南北間の貿易が大幅に減ったことから、北韓が、中国向けの輸出を増やしたことも背景にあるとみられています。