去年、ソウルの地下鉄で、無賃輸送費用が3億ウォンを超え、年間の赤字の85％に相当することがわかりました。
韓国では、法律にもとづき、高齢者、障害者、国家有功者などは無料で地下鉄を利用できるようになっています。
ソウル市が28日に国会に提出した資料によりますと、ソウル地下鉄1〜4号線を運営するソウルメトロと5〜8号線を運営する都市鉄道公社の去年の無賃輸送費は、合わせて3154億ウォンで、年間の赤字額の85％に上っています。
これは、2014年に比べて10％近く増えたものです。
無賃輸送費は、2010年には2228億ウォンでしたが、増加を続ける背景として、高齢化により、無料で地下鉄を利用できる高齢者の数が5年間で1.5倍以上に増えたことや、地下鉄料金が5年間で39％も値上がりし、無賃乗車が増えたことなどがあるとみられています。
ソウル市の関係者は、「無賃輸送政策によりコストが膨らんでいる。国から無賃輸送費用の支援がなされれば、地下鉄の赤字幅も縮小するだろう」としています。