アメリカの国家情報局が、北韓が実験用原子炉を再稼働させ、核兵器に必要なプルトニウムの抽出を数週間から数か月以内に始める可能性があるという分析を出しました。
これは、アメリカのクラッパー国家情報長官が現地時間の9日、アメリカ議会上院の情報委員会の出席に先立ち、証言したものです。
この中でクラッパー長官は、北韓が、3回目の核実験後の2013年4月、寧辺(ニョンビョン)の実験用原子炉を再稼働させると発表した後、実際にそれを実行したとする分析を明らかにしました。寧辺の実験用原子炉は、北韓の中核的核施設で核兵器に必要なプルトニウムを製造できます。
クラッパー長官は、その上で、再稼動からかなりの時間が経過しているため、北韓が数週間から数か月以内に原子炉の使用済み核燃料からプルトニウムの抽出を始める可能性があると指摘しました。
北韓は2007年の6か国協議の合意で実験用原子炉を閉鎖し、翌年の6月、原子炉を冷却させる冷却塔を爆破するなど実験用原子炉を無能力化する措置をとっていましたが、2013年4月、核施設を再稼動する方針を明らかにしています。
さらに、クラッパー長官は北韓が弾道ミサイルを製造する技術を発展させてきていて、まだ飛行実験が不十分であるにも関わらず、移動式ICBM=大陸間弾道ミサイルを既に配置したという見方も示しました。