姦通罪が廃止されておよそ1年が経った現在、離婚訴訟が減ったことが分かりました。
憲法裁判所は去年2月26日、刑法に定められた姦通罪は「自己決定権を過度に制限するものだ」として違憲と決定し、韓国の姦通罪は62年ぶりに廃止となりました。
廃止が決定した当時は、姦通罪廃止の影響により不貞が増え、離婚が急増するという懸念の声が出ていましたが、去年の離婚訴訟件数はおよそ3万9000件で、2014年に比べて4.0%減少しました。
また、姦通罪の廃止により、被害者への慰謝料が高くなるという予想も出ていましたが、廃止決定の後も離婚訴訟の慰謝料は以前と大きく変わっていないとされています。
その理由として、法曹界では、姦通罪が廃止となった現在、金銭的に重い責任を負わせてはいけないという意見が多いためだと分析しています。
一方で、姦通罪の廃止が結婚についての伝統的な観念に変化をもたらしており、不倫で婚姻が破綻し、責任がある配偶者の離婚要求を受け入れるという「破綻主義」が徐々に認められるとみられています。