アメリカ軍の高高度迎撃ミサイルシステム「サード」の韓半島配備問題で、中国の王毅外相のアメリカ訪問をきっかけにアメリカ高官から留保する発言が相次いでおり、サードをめぐる韓米両国の協議が予想より長引くとの観測が出ています。
北韓が今月初めに長距離ミサイルを発射してから、アメリカはなるべく早くサードを韓半島に配備することが必要だとの立場を示してきました。
しかし、中国の王毅外相が国連安全保障理事会での北韓制裁について議論するため、現地時間の 23日にワシントンを訪問したことをきっかけに、アメリカの高官からサードの配備を留保する発言が相次いでいます。
アメリカのケリー国務長官が現地時間の23日、中国の王毅外相との会談後、「北韓の非核化を実現できれば、サードは要らない」と述べたほか、25日には駐韓アメリカ軍司令部を管轄するハリスアメリカ太平洋軍司令官が「韓米がサードの協議に合意したからといって必ずしもサードを配備するわけではない」と述べています。
アメリカと中国が、国連安全保障理事会の北韓制裁決議案の草案に合意したことから、アメリカが中国を意識しての発言ではないかとの見方が出ており、サードをめぐる韓米両国の協議は予想より長引くとの観測が出ています。