これまでで最も強力な内容とされている国連安全保障理事会の北韓制裁案の草案に盲点があり、実効性を疑問視する見方が示されました。
アメリカのメディア・ニューヨークタイムズは現地時間の26日、国連安全保障理事会の北韓制裁の草案について、強力な制裁案ではあるとしながらも、盲点が多いため、北韓に核兵器を放棄させるほどの効果があるのかについては専門家の間で疑問の声があがっていると伝えました。
ニューヨークタイムズは、今回の制裁で北韓と中国の国境で行われる貿易、外貨稼ぎの労働者など北韓政権の大きな収入源が制裁対象から外れたと指摘しました。
まず、北韓と中国との国境貿易は、監視が届きにくく、北韓住民が生計を立てるとともに北韓政権が現金を確保するルートになっています。
また、北韓は現在、中国、ロシアなどに5万人以上の外貨稼ぎの労働者を派遣し、年間2~3億ドルを送金してもらっています。
さらに、今回の制裁案には北韓の石炭と鉄鉱石の輸出制限が盛り込まれたものの、中国の景気鈍化と原材料価格の下落で2013年からはむしろ輸出が減少しているとしました。
ニューヨークタイムズは、これまで北韓制裁の効果が落ちた背景には、北韓の低い対外貿易依存度と中国の反対があるとした上で、今回の制裁が成功するかどうかは北韓の最大の貿易パートナー、中国にかかっていると分析しました。