国際人権保護団体「アムネスティ・インターナショナル」は9日、「北韓内の携帯電話使用および外部世界からの情報制限の実態」という報告書を発表し、北韓政権が住民を統制するため、携帯電話やインターネットの使用を制限していると明かしました。
学界やNGO=非政府組織の関係者、脱北者へのインタビューをもとに作成されたこの報告書によりますと、今まで北韓の住民は治安当局の取締りを避けて海外にいる家族などと中国の通信網を利用して連絡を取り合っていましたが、最近、治安当局が携帯電話の発信を探知する最新機器を導入するなど、取締りを強化したということです。
北韓当局は電話やインターネット、放送など全ての伝達手段を独占して海外からの情報を遮断しており、一般住民は国際電話を厳しく制限されるほか、海外のウェブサイトにアクセスすることも不可能です。
アムネスティ東アジア地域事務所のニコラ・ベクラン所長は「北韓は政権を維持するため住民を外部世界から隔離しているが、外部への通信を制限することは個人の表現の自由を抑圧する明白な人権侵害だ」と指摘しています。