北韓の最高裁判所が敵対行為をしたとして拘束していたアメリカの大学生に対し、15年の労働教化刑を言い渡したことについて、アメリカのホワイトハウスは16日、北韓がアメリカ国民を人質として利用しようとしていると非難し、直ちに釈放するよう求めました。
ホワイトハウスのアーネスト報道官は16日、北韓の最高裁判所が、拘束していた男子大学生に国家転覆陰謀罪で労働教化刑15年の判決を言い渡したことについて、「北韓がアメリカ国民を政治的目標の追求のために人質として利用しようとしていることがますます明らかになった」と述べ、北韓の対応を非難しました。
そのうえで、「男子学生に恩赦を与え、直ちに釈放するよう強く求める」と述べ、「アメリカ政府にとって、外国にいるアメリカ国民の安全と安寧より重要なものはない」と強調しました。
また、アメリカ国務省のトナー副報道官は16日の記者会見で、「北韓は、拘束したアメリカ人を政治目的に利用しないと主張しているが、今回の例をみると、北韓がそれをしているのは明白だ」と批判しました。
そして、「判決は不当に過酷だ」と指摘し、「彼に恩赦を与え、人道的観点から即時解放するよう促す」としています。
朝鮮中央通信は16日、北韓の最高裁判所が、拘束していたアメリカ人大学生に対し、敵対行為をしたとして15年の労働教化刑を言い渡したと伝えています。この大学生は、去年12月に観光ツアーで北韓を訪問した際、平壌のホテルから政治スローガンが書かれた物を持ち帰ろうとしたとして1月に拘束されました。