北韓で使われなくなっていた「共産主義」という単語が、再び登場していることがわかりました。
朝鮮労働党の機関紙、「労働新聞」は、7日付けの社説で、「平壌(ピョンヤン)のヨミョン通りを、共産主義理想通りとして建設すべき」としており、3日にも、共産主義の実践に向けた市民の決意を紹介する記事で、「共産主義思想を生命のように大切にする」などと伝えています。
「共産主義」とは、資本主義・社会主義を経て完成に至る理想的な段階を指し、北韓では、2002年10月に、当時の金正日(キム・ジョンイル)国防委員長が「社会主義も実現していない状態で、理想的な共産主義を論ずべき立場にない」と語って以降、「共産主義」という単語は労働新聞からほぼ姿を消していました。
その後、北韓は、2009年の改正憲法で「共産主義」を削除したのに続き、2010年に労働党規約を改正したときも「共産主義」という言葉を削っています。
「共産主義」という単語が再び登場し始めたことについて、36年ぶりに開かれる党大会を前に、国際社会の制裁で揺らいでいる民心を引き締めるための苦肉の策という見方が出ています。