北韓の裁判所は29日にスパイ容疑で身柄を拘束している韓国系アメリカ人のキム・ドンチョルさん(62)に対して、国家転覆とスパイの罪で労働教化刑10年の重刑を言い渡しました。
中国の国営新華社通信が伝えたものです。
この男性は1987年にアメリカ国籍を取得し、2001年からは中朝国境地帯で貿易業やホテル業を営んでいましたが、今年1月にアメリカのCNN放送とのインタビューで北韓に抑留されていることが分かりました。
北韓は、この男性が軍事機密を盗もうとしたスパイ容疑を認めたと主張しています。
一方、北韓の裁判所は先月16日、アメリカ人大学生の21歳の男性に対して、ホテル内でモノを盗んだ罪で労働教化刑15年の刑を言い渡しました。北韓が抑留している外国人に対して次々と重刑を言い渡しているのは、国際社会の制裁が続く中、抑留外国人を利用して局面転換を図る狙いがあるのではないかとみられています。