加湿器に使用する殺菌剤で多くの死傷者が出た問題で、検察は、メーカーの元代表をはじめとする関係者3人など、4人に対する逮捕状を請求しました。
ソウル中央地方検察庁の特別捜査チームは11日、業務上過失致死、業務上過失致傷などの疑いがあるとして、イギリスに本社を置く多国籍企業、レキット・ベンキーザーの韓国法人「オキシー・レキット・ベンキーザー」=現在の「RBコリア」の申鉉宇(シン・ヒョンウ)元社長をはじめ、元研究所所長、元研究員の3人に対する逮捕状を請求しました。
この問題でメーカー側の関係者の逮捕状が請求されるのは初めてです。
「オキシー・レキット・ベンキーザー」は、2001年から2011年半ばまで、加湿器の水に混ぜて使用する殺菌剤に有害な化学物質、PHMG=ポリヘキサメチレングアニジンが含まれた製品を販売しました。
申鉉宇元社長ら3人は、2010年10月に適切な検査をせずにPHMGが含まれた製品を開発・販売し、死傷者を多数出した疑いが持たれています。製品を販売する際に「子どもにも安全」という虚偽・誇大広告をした疑いもあります。
また、別のメーカー「バターフライエフェクト」の元代表に対しても、PHMGよりもさらに有害とされる化学物質、PGH=塩化エトキシエチルグアニジンを使って加湿器殺菌剤を製造・販売し、死者14人を含む27人の被害者を出した疑いがあるとして、逮捕状を請求しました。
13日に裁判所の令状審査が行われ、申元社長らが逮捕されるかどうかが決まります。
一方、政府は、加湿器殺菌剤成分であるCMIT=クロロメチルイソチアゾリノン、MIT=メチルイソチアゾリノンが含まれた製品に対する再調査を行うことにしています。
これらの物質は、政府による前回の調査では、肺の損傷との明確な因果関係が明らかになっていませんが、アメリカでは農薬の成分として分類されるものです。
政府の再調査の結果、有害性が認められれば、これらの物質を使って製品を製造・販売したほかのメーカーも捜査の対象になる可能性が高くなります。